私のところに貰われてきたコンパック |
ある日、友人から『ウィルスにかかって動かないパソコンがあるが要るか?』とのお話。『ウィルスで動かなくなる?』と多少疑問に思ったものの、部品くらいは取れるだろうと思い貰うことにした。
到着したのはCompaq Presario3571で、中を開けてみると主だった部品(CDドライブ、HDDなど)はすでに外されておりガッカリ!まぁ、普通パソコン自体が動かないのであればその中の動きそうなパーツは外すわな!と納得。とりあえずビデオはオンボードだしメモリーも32MBのDIMMが1枚刺さっているのでCDドライブ、HDDはなくても起動するだろうと思い、配線して電源を投入してみる。『ウィーン』という音とともに電源のファンとCPUのファンは回りだすものの画面には何も表示されない。『やっぱりだめか。捨てるしかないかな。』などと思いながらよくよくマザーボードを見てみるとホコリを見なかったことにしても非常に汚いのである。(○'。'○)ん?しかもCPU周りのコンデンサが斜めについている。さらによく見るとそのコンデンサがパンクして中の電解液が基板に流れ出していることが判明。『はは〜!それで斜めに見えるのか。』と納得。マザーボードのCPU周りに13個付いているコンデンサのうち、生きていそうなのは1個もないという状態。『ここまでになっていれば駄目だな!』ということであきらめようと思ったが、手元にあった同規格のコンデンサ(4個だけ)をとりあえず特にヒドイものと交換して電源を投入してみると画面に『Compaq』の文字が・・・。ただし、再起動を繰り返す。『生きそうだな!』そんじゃ復活させてみようかということになりました。
ところがたまたま別の知り合いのところに同種のパソコンの電源が壊れたものがあり、そっちは『できれば、使いたい!』ということだったので、こちらの電源だけを嫁に出すことにしました。こちらに来たのは死んだ電源。『やっぱ捨てっか!』と思いながらも電源のカバーを開けてみるとこちらも頭モッコリのコンデンサくさい。こちらもだめもとでと言う事でやっぱり復活させてみることにしました。 |
作業開始 |
早速作業開始と行きたい所なのだがコンデンサがなかなか見つからない。ちなみに電源に使われているコンデンサで頭モッコシ状態のものは10V3300μFの105℃、マザーのほうの頭モッコシは6.3V1500μF 105℃でした。
インターネット上で通販しているところを探しましたがこのタイプ(低ESRタイプ)は扱っているところが少ないようです。私は 『アールエスコンポーネンツ株式会社』というところから購入しました。 |
電源部コンデンサ交換 |
|
Compaq Presario3571の電源部
(カバーを外したところです。) |
|
問題のコンデンサ。
10V3300μF105℃を5本使っていましたが左下のものを除き、頭が膨れていてさらに頭から電解液が滲み出しているものもあります。このうち1個は底が完全にパンクしていて電解液が漏れ出していました。 |
|
コンデンサを半田ごてを使って外してみました。
判りにくいですが足の部分のゴムが破裂しています。 |
|
電解液が基板に漏れて付着しています。 |
|
新しく購入したコンデンサ
PANASONIC INDUSTRIAL EUROPE 製 |
|
見た目大丈夫そうな手前のものを除き、4本を交換する。(高さが若干違うようです。)
交換するときはくれぐれも極性を間違えないように・・・。爆発します。(;-_-X;)
装着後、ショートなどがないかどうかを確認します。 |
|
配線などを元に戻し、ふたをして完成です。コネクターのピンをショートさせて通電状態にしてテスターなどを当ててテストすれば間違いないのですが、この電源のコネクタは通常のATXではなくATに近いような形状で、ショートさせるピンを調べるのが面倒だったことと「駄目もと」という意識があるのでこのままテストせず本番ということにします。(良い子はまねしないように・・・)
これで駄目ならレギュレーターなどを疑っていく必要がありますが、そうなったらあきらめましょう。 |
マザーボードのコンデンサ交換 |
|
黒のコンデンサがオリジナルのもの。緑のコンデンサは手持ちのもの。
まさか動くとは思っていなかったので破裂状態は撮っていませんでしたが緑のコンデンサの左下側の基板に電解液が流れ出し、汚れているのがわかります。 |
|
コンデンサをすべて外した状態です。
漏れ出した電解液の影響がチップ抵抗などに出ていなければ良いのですが・・・ |
|
購入したコンデンサ
6.3V1500μF 105℃を13個交換します。
PANASONIC INDUSTRIAL EUROPE 製 |
|
コンデンサを付け直した状態
とても動くとは思えないが、これで『よし!』としておきましょう。
再三ですが極性を間違えないように・・・ |
|
CPUは本来、セレロン566Mhzだが手持ちのセレロン433Mhzを装着。メモリーも手持ちの256MBを装着。
CDとHDDは装着せずFDにWindows98の起動ディスクをセットして恐る恐る電源を投入(当然、机の下に隠れながら・・・)
『ウィーン』という音とともに電源のファン、CPUのファンと回りだし画面には『COMPAQ』の文字が表示される。しばらく放っておいても大丈夫だったので、
とりあえず成功のようです。見た目よりは軽傷(?)ということでしょうか?
時間を見つけてロングランテストをしてみたいと思います。 |
作業後記 |
特にこのパソコンがなければ仕事・その他に支障をきたす。というものでもなかったので無理にここまで行う必要もなかったのですが久しぶりに半田ごてを握って燃えて(?)しまいました。
作業を行っている最中に色々調べると
2001年後半〜2002年前半あたりに台湾で製造されたパソコンなどに使われているコンデンサは電解液の組成不良のため、通常の半分から4分の1程度の耐久性しかない場合があるとのことでした。詳しくはこちら辺りをご覧くださいな。
このパソコンが上記に該当するものであったかはよくわかりませんが、電源が入らないという症状は結構あるようでした。また、マザーボードについているコンデンサの配置がCPUヒートシンクの縦溝方向にあるので廃熱がもろに当たるという構成もどうかとは思います。ハイ!
お手持ちのパソコンが再起動を繰り返すとか急に電源が入らなくなったなどの症状のときは疑ってみることも必要かもしれません。コンデンサの頭が膨れている程度なら交換してみるのも良いかもしれません。今回のように電解液が漏れ出しているような場合は本来ならあきらめるべきでしょう。
もし、挑戦しようという方がいらっしゃいましたらこちらをコンデンサ選びの参考にしてください。(ないとおもうけど・・・)また、このページを参考にやってみようという場合、あくまでも自己責任でお願いしますということを付け加えておきます。 |